Vの魂は鋼鉄となる:カグラナナが語った衝撃の喉手術と、「絶対に買ってはいけない」コラボPCの裏話

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はじめに:1年2ヶ月の沈黙を破って

人気VTuberでありイラストレーターでもあるカグラナナ氏が、約1年2ヶ月という長い活動休止期間を経て、2023年8月15日に活動を再開しました。多くのファンがその理由を案じていましたが、先日、ストリーマーのけんき氏との会話の中で、その沈黙の裏にあった驚くべき詳細が初めて語られました。それは、単なる休養とは程遠い、過酷な闘いの記録でした。

本記事では、その会話から明らかになった特に衝撃的だった3つの事実を深掘りし、彼女が乗り越えてきた困難と、未来に向けた強い意志に迫ります。

1. 活動休止の真相:脳のバグ、5つの病院、そして喉に入れたチタンプレート

カグラナナ氏の活動休止の根本的な原因は、深刻な喉の不調でした。しかし、その正体と治療法は、想像を絶するものでした。

病名と症状 彼女が診断された病名は「機能性発声障害」。これは脳からの信号にバグが生じ、声を出す際に声帯が過剰に閉じてしまい、声がかすれて出なくなる深刻な状態でした。彼女自身の言葉を借りれば、「開かなきゃいけないところを閉じちゃう」という、まさに意のままにならない身体との闘いでした。

診断までの苦難 2022年5月頃から始まった不調。そこから正しい診断に至るまでの道のりは、約1年半に及ぶ長く困難なものでした。5つもの病院を巡るも、「風邪」「副鼻腔炎」「喘息」といった誤診が続きました。埒が明かない状況の中、彼女は自らインターネットで症状を徹底的に調査。ついには、自身の見立てを持って医師に「もしかしてこれじゃないですか?」と、自ら申し出たのです。数々の専門家が見抜けなかった病名を、彼女自身の探究心で突き止めた瞬間でした。

手術の詳細 2023年7月、彼女が受けた治療法は「甲状軟骨形成術2型」。これは喉の軟骨を切り開いて2mmのチタンプレートを埋め込み、声帯間の隙間を物理的に確保するという大掛かりな手術でした。さらに衝撃的なのは、この手術が全身麻酔ではなく、意識がある状態で行われたという事実です。最適な声の状態を確認しながらプレートの位置を調整するため、彼女は自身の声を聞きながら手術に耐えなければなりませんでした。

起きたままやるんですよ手術…声出しながら調節しなきゃいけないから寝れない

分析 この一連の経緯は、彼女の休止期間が単なる「休養」ではなく、原因不明の病との過酷な闘いであったことを物語っています。特に、5つの病院でも解明できなかった原因を自力で突き止めたその主体的な問題解決能力は、彼女の持つ「鋼の意志」の最初の現れと言えるでしょう。

2. 異例のお願い:「今出てるコラボPCは、絶対に買わないで」

闘病生活を経て復帰した彼女は、未来の活動、特に自身のコラボPCについて、非常にユニークで驚くべき発言をしました。

未来の展望 カグラナナ氏は、現在GALLERIA(ガレリア)とコラボしているPCについて、新たなモデルへの強いビジョンを語りました。それは、VTuberの葛葉(クズハ)氏のモデルなどでも採用され始めている「ピラーレス」と呼ばれる、PCケースの前面と側面がガラス張りになったデザインです。そのガラス面に自身のイラストを大きくあしらい、これまでの製品とは一線を画す「真のコラボPC」を実現したいと熱望しています。

ファンへのメッセージ そして最も衝撃的だったのが、ファンに向けられたメッセージです。「あくまで願望ですが」と前置きしつつも、彼女は新しいモデルの構想を語った上で、「今出ているモデルはまだ買わないでほしい」「来年の春頃には(新しいのを)出したいと思っているから」と、現行製品の購入を控えるよう力強く呼びかけました。

そう思ってるから今出てるやつは絶対買わないでも

分析 クリエイター自身が、販売中の自社製品の購入を「待ってほしい」と公言するのは極めて異例です。しかしこれは、彼女の壮絶な経験と深く結びついています。声という生命線を失いかけ、自力でそのキャリアを取り戻したからこそ、自らの創作物に対して一切の妥協を許さない。ファンに中途半端なものを届けたくないというプロ意識は、自身の復活をかけて戦った者の、揺るぎない誠実さの表れなのです。

3. 声が出ない日々の過ごし方:「全力疾走はできるけど、徐行運転はできない」

活動休止中、日常会話すら困難な状況にありながら、彼女の創作活動は完全に止まっていたわけではありませんでした。そこには、彼女の症状と精神性を象徴する、直感に反する事実がありました。

歌活動の継続 驚くべきことに、彼女は配信活動を休止している間も、「歌ってみた」動画の投稿を続けていました。普通に話すという、配信者にとって最も基本的な発声ができないのに、なぜ歌うことができたのでしょうか。

歌えた曲のタイプ その理由は、彼女の症状の特殊性にありました。彼女自身の秀逸な比喩を借りれば、その状態は「徐行運転はできないけど、高速道路は走れる」というものでした。繊細な声のコントロールが要求されるバラードのような曲は歌えませんでしたが、勢いよく声を張り上げるような激しい曲であれば、逆に歌うことができたのです。

徐行運転できないけど高速道路走りますみたいな

分析 このエピソードは、彼女が置かれていた状況の複雑さを浮き彫りにします。ストリーマーとして最も基本的な「話す」という徐行運転が不可能である一方、アーティストとして「激しく歌う」という全力疾走は可能だった。このパラドックスは、彼女の不屈の精神そのものを象徴しています。慎重に進む道が閉ざされても、前へ進むためならフルスロットルで駆け抜ける。その情熱が、絶望的な状況下でも創作活動を続けさせたのです。

おわりに:鋼の意志で未来へ

脳のバグ、5つの病院、そして喉に埋め込まれたチタンプレート。カグラナナ氏が乗り越えてきた闘病生活は、私たちの想像を遥かに超える壮絶なものでした。

喉に埋め込まれた鋼鉄のプレートは、物理的に彼女の声を支えるだけでなく、その不屈の魂の象徴となりました。原因不明の病と自力で対峙した経験が、ファンに最高のものを届けたいという一切の妥協を許さないクリエイター精神へと昇華されたのです。だからこそ彼女は「最高のPCができるまで待って」と願い、話すことができなくても「歌う」という全力疾走を止めませんでした。

多くの困難を乗り越え、その魂を鋼鉄へと変えた彼女が、これからどんな新しい世界を見せてくれるのだろうか。その活動から、ますます目が離せません。

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